禁断の恋はじめます
「勇樹には内緒だよ~」

人懐っこい千沙は
身振り 手振り で会話する。



「初めてあなたたち兄妹を見たのが
小学校の時で
私はサッカーがめっちゃカッコイイ啓吾に
一目ぼれして
勇樹はそれを一生懸命応援してる
小さな妹ちゃんが
忘れられなかったみたい。」



「そうなんだ。」



私はいつも啓吾の応援に行ってたから



「有名だったのよ。
池端のちっこいサポーターって~」



「え!?そうなの!?」



「だから妹ちゃんの成長も
楽しみにしてたみたい。」




「先輩そんなこと言ってなかったぞ。」

啓吾がぼそっと言った。


「ばかね~アイツが正直に言うわけないよ。
プライド高いんだから~
でも妹ちゃんが彼女になってくれて
めちゃめちゃ喜んでた。
アイツのあんな顔初めて見たよ。
あまのじゃくであんなヤツだけど
よろしくね。」


千沙が私の手をとって
握手した。


冷たいけど
スベスベしてて柔らかい……。


「それじゃ…私帰るね。
退院したらクリスマスしようね~
メリークリスマス~~」



千沙がそういうと

「あ…玄関まで送ってくるよ。」


啓吾はそう言うと
手を振る千沙の前を歩いて行った。


千沙は手を振るのをやめて
啓吾の腕に手をかけた。
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