禁断の恋はじめます
待ち合わせの場所に先に
後ろ向きの勇樹がいた。


  勇樹~~!!!



フードに雪を乗せて私を待ってる
勇樹に抱きつきたくなった。


私は雪の中を走り出して
勇樹の背中に抱きついた。



「うわ…」
驚く勇樹に


「メリークリスマス勇樹~~」
とめちゃめちゃ明るく叫んだ。



「ビックリしたよ。」


勇樹が向きを変えて
私を抱きしめた。



「寒かったよ~~勇樹…」


私はわざとに泣き声にした。



「俺も寒かった~~」

勇樹が私の頬に自分の頬をつけた。



「うひょ~冷たい~~」



顔を見合わせて爆笑した。



「どこに行く?」

勇樹が言った。



「勇樹のお家に行く……」

私はまた勇樹に抱きついた。



  ここが……私の居場所



啓吾以外の人の胸が


私の居場所なんだよね。



勇樹の大きな手に包まれた
私の手はたちまち温かくなった。



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