アヲイモリ
「はい、これ飲んで」
アオイは、あの日と同じようにミルクティを出してくれた。
「何があったのかな。素子」
「…あのね、」
私はアオイに
毎日お母さんに声をかけても何も反応がないこと
お母さんの姿を見るのが辛いこと
学校に行ってもお母さんのことが頭から離れなくて笑えないこと……
次々と溢れ出てくる言葉を思いのままアオイに告げた。
「…そっか。辛かったんだね。素子」
アオイは私の頭を撫でてくれた。
そのアオイの手がすごく優しくて────…
「うっぅ……ア、オィ」
「泣いて良いよ。素子」
アオイは何でこんなに優しいの?
何で、こんな時に限って優しくなるの?
私はどうしてこんなに弱いの?