アヲイモリ
「…大丈夫?」
「う、うん」
思わずアオイの笑顔にときめいてしまった。
恋をするって、こんな感じなのかな────?
「ア、アオイ…」
「何?」
「アオイは、好きな人とか、いるの?」
「好きな人…」
アオイは そっと目を閉じた。
きっと今、アオイはその好きな人を思い浮かばせてるんだ。
「好きな人、いる、かな」
アオイは、少しほほ笑んで言った。
私の短い初恋は終わった。
恋ってこんなにもあっけなく終わってしまうものなんだ。
「そ、そっか」
私はワザと明るい声を出した。
だってそうしないと…
「どんな人? やっぱり、可愛い??」
「好きな人っていうかね、理想っていうのかな」
「…理想?」
理想って、何??
好きと違うの??