アヲイモリ
「メニュー?俺の店にはそんなのないよ。何でもお好きなモノ頼んで良いよ」
"何でもお好きなモノ頼んでも良いよ"
私は男の人の言葉を胸の中で繰り返した。
「あ、あの…「何飲みたい?」
私は言いたかった言葉を飲み込んだ。
「じゃあ、ミルクティ」
────あとで聞こう。
「はい」
私の目の前にはさっき話したばかりの男の人。
「えっ…?」
ミルクティが飲みたいって、さっき言ったばかりなのに────もう出てきた。
「早くない?ミルクティ」
「俺も飲みたいなーって思ってたから。たまたま用意してあっただけ」
「そうなんだ」
私はミルクティをすすった。
ほんのり甘くて、すごくおいしい。
心の奥底からじんわり身体が温まってくる。