お隣りのあなた。
それから数日の間2人で自由になる、と言う名目の小さな冒険の計画を始めた。基本はななちゃんの部屋で計画を立てた。証拠を残さないように、メモは取らず、頭で記憶する。忘れないように計画を立てた次の日には2人で確認しあう。

そんなことを繰り返し、計画実行日を迎えた。



その日はななちゃんの家に集合した。いつもの感じで遊びに行くようなノリで。

ななちゃんのままは、毎週水曜日、1時になるとお買い物に出かける。帰って来るのは4時くらい。きっと近所の人と話し込んでいるのだろうとななちゃんは言っていた。

「いい子に遊んでいるのよ?じゃあ行ってくるからね」

玄関でわたしとななちゃんは笑顔でななちゃんのままを見送る。今までちゃんと2人で留守番してきたのだから、ななちゃんのままはわたしたちを信じ切っていたようだった。僅かな罪悪感が胸をチクリと痛ませたが、それよりも高揚した気持ちがななちゃんのままにばれないか心配だった。ちらっとななちゃんを見れば、いつものすました顔でままを見送っていた。わたしには到底真似できない。

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