あなたが居た日々…
起きたらそこは、病気だった。


「武…瑠?」 


そこに居るはずの武瑠が見当たらない。



看護師さんに聞いてみた。

「あたしといた男の人は?」


「…………」


看護師さんは、黙ったままだった。



「ねぇ、看護師さん!!!」

ちょっと強い口調で言った。


看護師さんの重い口が開いた。




「あなたと居た男の人は、ついさっき亡くなったのよ。」


「え?な、亡く…なった?」


もう武瑠に会えないの?


武瑠と喋れないの?



そんなの絶えられない。



あたしは、絶望的になった。


事故が起った事は、薄々気付いてた。


でも、死因は?


「なんで死んだんですか?」


涙をこらえながら聞いた。


「死因は、相手の車のよそ見運転よ。」



よ、よそ見…運転。



あたしは、よそ見運転した相手を殺したくなった。




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