弱く儚いモノ達へ
「そうや。自己紹介しません?」
重い空気を変えようと口開く博貴。
「そうやな。名前も分かれひんのも気まずいしな。」
賛同する信五。
「言いだしっぺ何やからおまえからしろや。」
博貴を見るすばる。
「僕ですか?僕は博貴いいますねん。博ちゃんでも博くんでも好きに呼んでや。」
わざとふざけたように自己紹介をする。
「俺は裕。」
左手に巻かれた包帯。
船に寄りかかりながら自己紹介する裕。
「僕は信じるに数字の五で信五言うねん。」
「すばる。」
ぶっきら棒に答える。
「それだけ?」
「他に何があるねん。」
博貴を睨みつけるすばる。