弱く儚いモノ達へ
消えた未来
空に上る煙。
パチパチと木を燃やす火の回りには串刺しにさされた魚。
数少ない果実をほおばる。
疲労の色が見え隠れする。
「あああ。」
突然大声をあげる博貴。
「何やねん。」
横目で博貴を見るすばる。
「思い出してん。どっかんで見たことあると思っててん。」
「はい?」
博貴の言葉に顔をしかめる忠義。
忠義の顔を見つめる章大。
「忠義ってバスケの選手やったろう?」
「やってひん。」
顔色をかえ冷たくあしらう。
「嘘や。テレビや雑誌とかでむちゃ騒がれてたやん。見間違えるはずない。」
「人違いや。」
強い口調で博貴を睨みつける。
「ムキになるなんて余計に怪しいで。」
横槍をとばすすばる。
「ええな。僕もテレビに出てみたいわ。」