弱く儚いモノ達へ
バシャバシャ。
足だけを水につけている章大。
その横で同じく足だけを水につけている裕。
「気遣うことないねんで。」
ニコニコと足だけの水遊びをしている章大へと声をかける。
首をかしげ裕を見る章大。
「みんなのとこ行ったらええ。独りぼっちは慣れてるねん。」
寂しそうな裕の横顔。
裕の腕にしがみつく章大。
「何やねん。急に。」
赤く染まる裕の表情。
「怖くないんか?俺のこと?」
うなずく章大。
ビー玉のような瞳で裕を映す。
「初めてや。そんなこと言うてくれるやつ。」
うっすらと目に光る涙。
「悲しいんとちゃうで。嬉しんや。」
泣き笑った顔で章大を見る。