弱く儚いモノ達へ
笑い声が響く川原。
裕と章大だけに流れる静かな空気。
その空気をぶち破るかのように近づいてくる隆平。
「見てや。見て。裕。」
魚で手を滑らしながらも裕に魚を見せる。
戸惑う裕。
「そいつ頑張ったんやで。」
指を指し話しかける信五。
「お前のためにな。」
照れたような表情の亮。
「ええんか?怖くないんか?」
皆の顔色を伺う裕。
「怖くない言うたら嘘になる。やけど。なぁ。」
忠義とアイコンタクトを取るすばる。
「みんな。色んな傷を持ってここに来てるんちゃうか。」
照れくさしうに頭をかいている忠義。
「…あ…あり…がと。」
涙目。
言葉に出来ない裕の姿。
そんな裕の腕を引っ張るとみんなの元へと背中をおす章大。