弱く儚いモノ達へ
  






「…ずっと…ずっと俺は化け物やと思ってたんや。そうやろう?この醜い手。」


布でぐるぐる巻かれた左手。
    


「この手のせいで全てをあきらめてきたんや。愛情も友情も俺には必要なかってん。所詮、俺は退屈な神様の玩具にしかすぎないって。やから…やからあの時、全てを終わらせるつもりであの船に乗ってん。」



一滴の涙が頬をつたう。
   


「やけど死ぬことさえ許されひんかった。」



空を見上げる裕。
   

「死ぬなんて簡単に言うなや。生きたいのに生きられひん命やってあるねん。」


裕の肩を抱く信五。
   


「そうや。玩具でも駒でもかまへん。悪足掻きしてでも生きてやる。」

満面の笑みで笑う隆平。
   

「こいつどうしたん?女みてぇに泣いてたやつが。」

指をさし笑う亮。
  

「急に男らしくなってるわ。」
  
すばるの言葉に
吹き出すように笑いだす7人。





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