弱く儚いモノ達へ
裏切りと現実
雲1つない青空。
じりじりと肌をさす日差し。
船にもたれカメラの手入れをしている博貴。
「それ。使えるん?」
ぶっきら棒に博貴に話しかける忠義。
「水没はせいひんかったから大丈夫やと思う。」
カメラを忠義へと向ける。
「何やねん。急に。」
照れくさそうにカメラのレンズを塞ぐ。
「俺をモデルにすると高いで。」
「ケチケチすんなや。減るもんじゃないし。」
忠義にカメラを向けなおす博貴。
「一眼レフやんか?」
割って入るように会話に参加する隆平。
「写真するん?」
興味津々そうにカメラを覗き込む。
「ちょっとだけやけどな。」
レンズ越しに寂しそうに空を見上げる章大を映す。
「章大。」
笑顔で手を振る章大にピントを合わせる。