弱く儚いモノ達へ
オレンジ色に染まる空。
鳥たちの寂しそうな鳴き声。
波の音だけが存在している。
会話もなくそれぞれが自由に時間を過ごす。
人並みを離れカメラを抱え船に寄りかかりながる座る博貴。
「亮は?」
船から戻ってくる裕へと声をかける信五。
「今は眠っとる。」
心配そうな皆の表情。
「大丈夫や。」
心を読んでるかのように明るく振舞う。
「あいつ。どうしちゃったんやろう。」
呟くすばる。
「俺等のせいや。」
「写真撮ろうなんて言うてしまったから。」
目を伏せる忠義と隆平。
「知らんかったんやからしょうがないやん。」
二人の肩を叩く信五。
「
そうや。俺やって騒いでもうたんやし。」
苦笑いを浮かべるすばる。