弱く儚いモノ達へ
   





「そのカメラ大事なもんなんやろう?」



から裕へと視線を移す。
   

「見せてみん?」


視線をカメラへと移す博貴。
   


「ええよ。壊れてひんから。」



俯いたまま素っ気無く答える。
   

「大事なカメラやんな。」


博貴の横に腰を下ろす裕。
   



「形見やねん。」




寂しそうに呟く。
   

「そうかぁ。」


博貴の頭を抱き寄せる。
裕の胸の中ですすり泣く博貴。





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