弱く儚いモノ達へ
すすり泣く声。
博貴の頭をくしゃくしゃと撫でる裕。
その様子に気づき博貴と裕の周りに集まりだす。
「どうしてん?」
声をかける忠義。
「ちょっと昔を思い出しただけや。なぁ。博貴。」
博貴に視線を向ける裕。
涙で濡れた顔をあげる博貴。
「…カ…メラなんていらへんかってん。貧乏でもええ。生きててほしかった…僕だけ置いてけぼりや…何で一緒に連れていってくれへんかってん…。」
カメラに落ちる涙。
うつろな目の博貴。
動揺を隠せない皆の表情。