弱く儚いモノ達へ





あちこちに張られた紙。
スプレーの落書き。
割れたガラス。
家の周りに張られた紙を一枚一枚はずしていく亮。
亮に向け浴びせる罵声。
   


「ひ…人殺しなんかやない…。兄ちゃんは殺しなんてせいひん。」



呪文のように繰り返す亮。
そんな亮の様子を必要以上に追いかけるカメラ。
家にかけこみ扉を閉める。
   


「そっとしておいてや。」



崩れ落ちるように座り込む亮。
一筋の涙が頬をつたう。






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