弱く儚いモノ達へ
   




夕日。
オレンジ色に染まる空。
波の音に混じり皆の騒ぐ声。


「戻ってきよった。」
   

指をさす隆平。
その先には信五と章大。


「もうお腹ペコペコや。」
   

お腹をおさえ呟く。


「お前ってほんまに食いもんのことばっかやな。」
   

忠義を見て笑うすばる。



「やから育ち盛りやねん。」
   


ハニカミながら答える忠義。


「可愛くないで。」


すかさずツッコむ亮。


「今のはなしやわ。」
   

忠義を指差し笑う博貴。


「何や。楽しそうやな。」


戻ってくるなり博貴と亮の間に割って入って座る。


「狭いとこくるなや。」
   

鬱陶しそうに信五を見る。


「ええやんかぁ。」
   

満面な笑みで亮を見る。
裕の横にちょこんと座る章大。


「何処におったん?」
   

章大の頭を二度タッチする裕。




「…ごめんなさい…。」
   


呟く章大。





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