弱く儚いモノ達へ





「お…お前。」
   
驚く皆の顔。


「しゃべれるん?」
   
忠義の言葉に頷く章大。


「何で今まで黙ってたん?」
   

博貴の問いかけに黙り込む章大。



「章大。」
   


俯いたままの章大に声をかける隆平。



「別にええやん。どんな理由でも。」
 
  
見かねた信五が助け船をだす。


「信五は知ってたん?」


「さっきな。」


すばるを見る信五。



「ごめんなさい。ほんまはずっと黙ってようと思ってた…やけど…。」



言葉を詰まらせる章大。


「しゃべりたいって。僕のことを知ってほしいって初めてそう思ってん。」
   

顔を上げる章大。
その目には涙を浮かべ。


「そうか。よう頑張って言うてくれたな。」


章大の頭をクシャクシャと撫で回す裕。


「ごめん。俺、酷いことばかり言うてた。」
   

すばるの言葉に首を振る章大。
うっすらと笑みを浮かべる。






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