弱く儚いモノ達へ
闇を照らす月。
星が輝く空を見つめるように寝転がる8人。
離れた場所で光る真っ赤な炎が寂しそうに風に揺れている。
「綺麗やな。」
時おり覗かせる切なそうな瞳。
「こんなふうに空を見ることなんてなかってんもんな。」
「ほんまやな。ただ毎日が何気なく過ぎていく。」
すばるの言葉に同意する忠義。
「何をそんなに急いでいたんやろう?」
伸びをする亮。
「空を見る時間もないくらいに。」
空を見つめ呟く博貴。
「いつだって一番近くにあったのにな。」
目を瞑る隆平。
「それだけ必死やったってことやろう?」
「溺れてしまわんように泳ぐことにな。」
信五に続き苦笑を浮かべ答える裕。
「僕は違ったな。窓から見る空が唯一の楽しみやったんや。生きてるって実感できる時間…。」
かすれた声。
皆の視線が章大へと集まる。
「ごめん。何や空気おもなった。」
起き上がり作り笑いをこぼす章大。