弱く儚いモノ達へ
廊下に響き渡るような大きな声。
母親につめよる隆平をとり押さえる秘書。
その腕を解こうと暴れる。
「何考えてるねん。そんなに僕を支配したいん?」
怒りをぶつける隆平。
「黙りなさい。これは決定事項です。貴方のために言ってるんです。」
見下すような目で隆平を見る。
「僕のため?」
苦笑する隆平。
「ほんまは違うでしょう?この会社のためやろう?」
母親を睨む。
「そうだとしたら?貴方にはここで働く皆を路頭に迷わすことが出来るのかしら。貴方は何万人という命を預かっているの。もっと自覚を持ちなさい。」
冷たいものの話し方をする母親。
「もうたくさんや。うんざりや。」
怒りのあまり頬に流れる涙。
秘書の手を振り払うと外へと駆け出していく。