弱く儚いモノ達へ
砂浜の上。
足掻き苦しむ章大。
酸素を求め必死に息をするが弱ってきてる身体はいうことをきかない。
「章大。章大の様子が可笑しい。」
突然、走り出す隆平。
「章大。しっかりしぃや」
章大を抱き起こす裕。
「お…おかしい。この苦しみ方は尋常やない。」
動揺を隠せない忠義とすばる。
「確かに尋常やないで。」
皆の目の前で胸をおさえ苦しむ章大。
みるみる顔色が変わっていく。
血の気が失せ唇も真っ青に染まる。
「もしかして発作やないのか。」
苦しむ章大を見て呟く博貴。
「発作って。そしたらどこかに薬を持ち歩いてるはずやろう。」
章大の衣服をさぐる亮。
「どこや。どこにあるねん。」
震える手で章大の胸元をさぐる。
「あった。」
薬袋をみつけると中身を手にのせる。
「どれや。」
薬を見つめ固まる亮。
「どうしてん?」
「わかれひん。薬の種類がありすぎてわかれひん。」
薬から裕へと視線を移す。