弱く儚いモノ達へ






「信五。お前には分かるはずや。」
   

裕の問いかけに反応を示さない信五。
怯えた目で章大を見つめる。



「信五。」
   


怒鳴りつける裕。


「…。」
   

震える身体。
濁っていく瞳。
耳鳴りが信五を襲う。





「何度も警告したはずや。お前には無理やって。」
  



別人のような信五の声。
皆の視線が信五へと集まる。



「やめろ。やめてくれ。」
   


耳を塞ぐ信五。



「どうしたんや。」

   
信五の腕を掴むすばる。






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