弱く儚いモノ達へ
嵐が過ぎて
快晴。
穏やかな波。
昨日とガラリと変わる天気。
船から最後の荷物を降ろす博貴と信五。
「これで最後。」
荷物を砂浜へと置く信五。
「昨日の嵐が嘘のようやな。」
空を見上げる博貴。
「ほんまやな。」
同じく空を見上げる。
「生き残りはこれだけか。」
男達に向けられる裕の視線。
「そうみたいやな。」
鼻で笑うすばる。
「ここどこですか?」
鞄を大事そうに抱え体操座りをしている隆平。
「それはみんな聞きたいことや。ああ。こんなはずやなかってんけどな。」
両手を頭の上にあげ伸びをする亮。
「僕もですよ。帰りたい…。どうやったら帰れます?」
今にでも泣きそうな隆平の声。
「そんなん俺に聞くなや。分かるはずないやろ?」
冷たい口調で答える亮。
静まりかえる場。