弱く儚いモノ達へ
「俺に触るんなや。」
すばるの手を振りほどく。
驚きの隠せない皆の表情。
「この身体は俺のもんや。そうやろう?」
乱暴な口調。
「…ち…ちがう。」
必死に冷静さを取り戻そうとする信五。
「何がちがう。お前はあの時と同じや。何も変わってひん。見殺しにするねん。あいつは死ぬよ。お前の前で。苦しみ足掻き。死んでいく。」
冷酷なもう一人の信五。
「信五。しっかりしぃや。」
冷たい視線を忠義へとむける信五。
「しかっりしぃや。」
信五の肩に手をかける忠義。
「言ったはずや。俺に気安く触るなや。」
忠義の腕を捻りあげる。