弱く儚いモノ達へ
「やめろ。やめてくれ。」
頭を抱え苦しみ出す信五。
濁りきった瞳から光は消え。
「せやのに。今更、何やねん。苦しみも悲しみも全て俺が背負ってやったやないか。俺を追い出そうとするなや。」
苦痛に歪む顔。
必死に自分自身と戦う信五。
その様子を見守ることしか出来ない皆。
「…お…願いや。苦しみも悲しみも全て背負うから…罰も受けるから…返してくれや。ぼ…僕に…この身体を…。」
「うるさい。黙れや。黙れ。」
頭を抱え錯乱状態の信五。
「信五。」
左手で信五の身体に触れる。
頭の中に電流が流れる。
壊れたテレビのように映像が頭の中を駆け巡る