弱く儚いモノ達へ






「ああああああ。」
   



弟の苦しみ足掻き死んでいく姿。
親から“お前が殺した”と罵られる信五の映像。
そしてリストカットを繰り返す信五をもう一人の人格必死に止める光景。
信五の過去が全て頭の中を駆け巡る。



「お…追い出そうとするなや。そいつもお前や…お前自身やろう。せやから…追い出すんやなくて受け入れたらええ…向き合ったらええねん。」
   


肩で息をし必死に信五自身に語りかける裕。




「…う…受け入れる…。」
   


震えた声で呟く信五。



「信五は信五や。どっちもお前自身やねんから逃げるのはもうやめひんか?一緒に生きたらええねん。そいつと一緒に歩いたらええ。」
   

信五を見つめる裕。




「…ぼ…僕自身…。」
   



ふっと我に変える信五。
声をあげ泣き崩れる。









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