倦怠期物語
そんな激しい喧嘩も今となっては懐かしい思い出だ。

今は家に2人でいても、俺は競馬研究、妻は趣味のパッチワークで時間を潰すので、会話はまるでない。

それでも不満はない。

「未来の離婚約束」をしたことでこの穏やかな生活を手に入れたのだ。

こんなことならもっと早く話し合うのだった。

もっと早く「未来の離婚」を切り出すのだった。

笑っちまうほどに、平穏で静かなる生活。

小学3年生の娘だけが、俺ら夫婦との架け橋。


俺はまた、パソコンで出会い系サイトをサーフィンする。

一体出会いに何を求めているのだろう。

たぶん心からの「恋」がしたいのだと思う。

誰かをもう一度本気で好きになってみたいのだ。
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