トリップ
トリップ
2015年・7月15日・・・・
「来た」
意味分からずに口から出た言葉。目の前がカッと光り、ひどく大きな音が聞こえて飛び起きたのだが、何も起こっていない。
キャプテンは目を覚ました。
目をこすりながら布団から這い出て、岐阜の田に慣れた鼻をぴくぴくさせる。
長年緑の臭いをかいできたその鼻は、すぐに臭いの異変を感じ取る。
「・・・ん?岐阜ってこんなに臭いやったっけ・・・。」
自分の部屋を出てみると、やけに室内が変だ。
風呂や台所だけだなく、部屋の構造自体違う。
まるでマンションのようだ。
台所までいくと、ピョコッと言う音が似合う感じに、友達のエリカが出てきた。
「あ、キリちゃん。おはよ。」
キリちゃん・・・キャプテンの事である。苗字の「キリダ」からつけたと言う。
「おお、エリカちゃん。丁度ええわ。ねぇ、うちの家って何でこんな風に・・・あ、あと何故ここにエリカちゃんが・・・」
「えー・・・っと・・・」
戸惑いながらも、エリカはキャプテンに耳打ちした。
「何ぃーーーッ!!?ここ・・・東京!?引っ越したってか!?」
「そうみたい。うちも起きた時に気付いたんやけど・・・」