トリップ
次のメールを見てみると、内容はこう。
〔無事帰宅したぜ。そっちはどうだ?〕7.27
〔おーい、どうしたー?返事がねぇぇ〕7.29(つまり今日)
この口調は多分ケイラだろう。
おそらく守り屋のことを聞いてきているようだ。
〔遅れてごめん。大丈夫やよ。〕
そう送ってやると、エリカよりも早く着信。
しかし、メールではなく電話だった。
「悪ぃ、メールしてられる状況じゃなくてよ。」
「そ・・・そうか・・・。」
電話の向こうから男の悲鳴が聞こえる。
「もしかして・・・お仕事中かな?」
「ああ、ちょっとな。」
「まさか・・・戦いながら電話?」
「戦っちゃいねぇんだけど。でも仕事中。」
すると、もう一度悲鳴が聞こえてきてから、急に静かになる。
多分・・・仕事が終わったんだな。
あんな仕事でも普通に思える自分にも身震いする。
「メール送って来てくれんでも、部屋にまで入ってこんやろ。」
「・・・そうだよな。ちょっと心配になって。」
「あら、君にもそう言う気遣いがあるんやね。」
褒めたつもりだったのだが、ケイラは一度黙ってからいつもより高い声で言った。
「バァカ」