トリップ
「キャプテンさん、丁度ですね。」
「ああ・・・まぁ。」
高木が邪魔しなければもっと早く来れたんだ。毒づきたくなり、口を開いた。
しかし、そう思うが口には出さずにパソコンの前に座る。
「今日も剣道部は人だかりが多いですねー。」
「フゴッ」
剣道部と聞いて思わず頭を打ちかける。
それでも私はとぼけたフリをする。
「な・・・んでや?」
「剣道部所属の高木先輩って人がいて・・・彼、この学校の注目の的みたいな・・・要するにもててるんです。」
「へぇそう・・・。」
あんなしつこい男のどこがもてるのだ。
ジュマにそう言ってやりたかった。
「ま、あの人がどんなに剣道が強くても、リクさんには敵いませんよ。」
「?そんな子この学校におったっけ?」
「!!・・・い、いえ、中学校の先輩で・・・顔はともかく、カッコいいんです。」
何やら慌てふためいた様子。
そんなにばらしてはいけない理由なのだろうか。
まさか・・・BL?
そう考えるとつい爆笑しそうになり、慌てて我慢する。