トリップ
全員が集まった所で、各生徒で本場であるテレビ局に向かった。
街中で歩いている途中、後ろから何故か少年が追いかけてきた。
「あ・・・この前公民館におった・・・」
「ジュマです・・・。それより、リクさん!」
どうやらリクに用があったらしく、小さな声を強くして言う。
「やっぱり私も行きます!同一犯かもしれない今回の生徒死亡事件の黒幕・・・多人数で雇ってきたらどうするんですか!?」
「俺がやられるとでも?」
「・・・確かにあなたは強いです。弓を持たせば強人の射手、人を守らせれば超一流の守り屋です。・・・でも、それに対抗できる殺し屋もいないこともありませんし・・・。」
「だからって・・・君の協力が必要な事もない。第一、ジュマは薬品専門で、戦闘は苦手分野じゃなかったか?」
「うぎッ・・・!それは・・・。で・・・でも、力にはなりますから!」
「説得力のない説得だな」
心配性なのか、ジュマも引き下がろうとしない。
「でも・・・でも・・・」
「・・・心配するな。君の作った毒は俺のよりも遥かに強力だ。その毒さえ貸してくれれば、俺にとっては一番の手助けになるんだが。」
戸惑うジュマの頭に手を乗せて撫でると、励ますようにリクは言う。
彼のほうが納得させられてしまい、胸のポケットから銀色の液体を取り出す。
「使ってくださいよね。」
「分かってる。大丈夫だ。」