トリップ

笑っているのか普通の顔なのか分からない微笑で、男はエリカを迎える。
微笑まれたが不信感を感じる。
この笑顔の男は腹の底で何を考えているのだろうか。
エリカは十分警戒して男を見る。
すると、リクが小さくエリカの肩をつついた。

(怪しく思えるか?あの男。)

そう囁かれ、エリカはいっぱいにうなづく。
リクは「やっぱりか」と言わんばかりに肩を落とした。

「場所はどこだ。」
「?・・・ああ、君も出るのかい?」
「ドコにある。」

無駄な質問をのけてリクが場所を聞く。

「僕の行く所についてきてくれればいいよ。さ、行こう。」
「「・・・・」」

エリカはリクを見上げた。

(この人・・・)

ちょっと不自然そうです。そう言いたげに見ると、それが通じたのか、リクもこくりとうなづく。前に進もうとすると、リクが腕を前に出して道を阻んだ。

「この紙に場所が書いてある。ここからは君1人で行け。」



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