トリップ
…下校時間…
クラスの女子達に質問攻めにされた後、キャプテンはマンガ喫茶に向かう。
『分かんねぇけど、逢いたかったから。』
その言葉が頭に響く。
「…それは、告白シーンで言うもんじゃ…」
そう言いながらマンガ喫茶に到着すると、ドアの前でケイラが待っていた。
「よ。」
「ああ…。待っとった?」
「いや。待ってねぇよ」
「あらそう」
そう言うと、ケイラはマンガ喫茶に入って行く。
つられてキャプテンも中に入った。店内の隅っこにある部屋に入ると、ケイラは椅子を二つ取り出してパソコンの置いてある机の前に置いて座った。
立ちっぱなしと言う訳にも行かないので、キャプテンも置いてあった椅子に座る。
「で、何で逢いたかったの?」
「いや・・・それが分かんねぇんだ。」
「本能で人に逢う・・・なんて話は聞いたことないし、何かやばい事でもあった?」
「何でそこなんだよ。」
「人ってのはさ、何かヤバイ事があったり、不安になったりすると、無性に人に逢いたくなるって事があるし。」
「特には・・・ねぇんだけど。」
「ふぅん・・・」
キャプテンは不思議に思いながら持ってきた漫画をめくる。
「お前って本当に漫画好きだな。」
「うん。3次元と違って、面白いし。」
そう言った後でキャプテンは思う。
(あ、そういえばここも2次元やった。)