トリップ
このまま「嘘!えぇ、マジですか!?」で通そうと思ったが、それでは返って正体を明かさせてしまったシュンリをがっかりさせるかもしれない。
(どうしよう・・・)
キャプテンが目を泳がせていると、シュンリがもう一度言う。
「知ッテル?」
安易に話しているはずなのに尋問を受けているような気分だ。
さすが殺し屋、と思いながらキャプテンは破れかぶれで口を開いた。
「すいません・・・知ってました。」
恐る恐るシュンリを見てみると、彼女は意外にもホッとしたような顔になって微笑んだ。
「良カッタァ、知ッテタンダ。」
「はいぃ?」
「イヤネ、出会ッタ時カラズット思ッテテ、ドウナノカナーッテ思ウト不安ダッタカラ。アノ時拳銃トカ見ラレテタシ。」
「あ・・・そんだけやったの?」
「ウン。」
そうすると、2人は緊張が解けたかのように腹を抱えて爆笑した。
「ははははは!何やそんなことなら早く言ってくれればよかったのに。うちなら不安で胃に穴が開いてまうわ!はははは!」
「ホント!アノ後カラ食欲モグント落チタノヨ!」
「何?ちなみに何キロ痩せた?」
「ドウセリバウンドスルワヨ。」
「あ、それうちの典型的な例やし。」
くだらない事を言いながら2人は周囲の目など関係無しに笑う。
一通り笑った後、キャプテンは息を吐く。