トリップ
隣
キャプテン達は今日から学校に行く事になったらしい。
トリップしたらしき日が土曜日だったため、今日つまり月曜日から学校なのだ。
キャプテンの通う学校は十五条(じゅうごじょう)高等学校。頭は良くも悪くもない高校だ。
赤色のリボン、白いカッターシャツ、黒色のスカートとブレザーといったいたって普通の制服である。見分けがつくものといえば、星のような形をした校章くらいだ。
一方で、エリカの学校は紅涙(こうるい)学園。芸能科があり、優秀な高校らしい。
赤と白チェックのリボンで下が少しネクタイのように長くなっているのが特徴的だ。スカートもリボンと同じ色のチェック、白色と茶色の選べるのカーディガンは、リボンやスカートに似合っていた。綺麗な制服だ。
「やっぱエリカちゃんには似合う!」
初めてエリカの制服姿を見て、キャプテンはそう言って目を輝かせた。
2人ともそう遠くない高校で、歩いて行けるほど、丁度近いので、通学は一緒に通うことが出来る。
キャプテンは校門をくぐり、校舎に入ると、1年4組に入った。少し古い学校なのか、錆びかけた鉄の部分は年代を感じさせる。
教室に入ると、男女皆がこちらを向く。
皆同じ顔のように見えたが、一人だけ、オーラの違うような者がいた。男の中でのロングヘアーにも見えるが、ひちさんのような髪型にも見える。
痩せていて、大人しそうな男子だった。
彼がこちらを向いてフッと笑いかけてきたので、キャプテンは不思議に思う。
(女・・・?いや、男やよね。制服的に・・・)
何故だろうか、他の者とは違う気迫を感じられる。
そう思いながらも、自己紹介を終えると、休み時間に皆がキャプテンの机の周りに集まった。
「ねぇ、キャプテンってどんな携帯?」
「岐阜ってどんな所?」
キャプテンは、あらかじめ用意しておいた台詞を口にする。