トリップ
痛かったが、ひるまず次の攻撃をナイフで止める。
この男を相手にしていると、周りを確認できない。そのせいか、頭に「ガツンッ」と衝撃が走る。
あ、これ何かで殴られたな。
床に倒れる寸前にそう思う。窓があるのを確認して、足に力を入れる。他の者には無理だが、自分なら5,6メートルは跳躍できる。
それは確実な事であったが、その前に太った男が背中からケイラの小柄な身体の上にのしかかって来た。
自分の体重の何倍と言う重さがかかり、咳き込みそうになる。