トリップ

とどめが必要な夢とはどんな夢なのだと聞きたくなる。

体の痺れがいつの間にか消えていた。効果が切れたらしい。

「・・・おはよ」

びっくりして振り向くと、キャプテンは目を覚ましていた。ケイラが回復しているのを確かめると、キャプテンはホッと息をつく。

「大丈夫っぽいね」
「一応な」
「さっきチョップ食らわしたのに元気やもん。傷口を狙ったのにさ」
「は?お前、寝ぼけてたんじゃねぇのか?」
「起きとった。大丈夫かなーと思って、試してみた」
「おい・・・」
「ごめんごめん」

悪気は無かったんだ、と言うように両手を横に振る。

「っつうか・・・お前、分かってんのか?」
「何が?」
「俺を助けた事、分かってんのか?」
「さぁ、知らん」

そっけなくそう答えた。何も考えていなかったが、次の瞬間「ドバチン!」と言う音が耳に響いた。

「へぶしッ!」

頬に痛みが走る。

叩かれた、そう気づいた頃、キャプテンは目を丸めた。




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