トリップ

「頭おかしいんじゃないのっ!?」

暴言を吐き散らしながら、私は拳銃を出す。

「さっさと片付けてやる!」
「女のクセに、威張るな!」

うるさいわよ。

甘く見るんじゃないわよ。

アンタみたいなのに殺されるあの子達のことを考えたら、殺し屋でも虫唾が走るわ。
私は最低だけど、平気で子供を捨てる私の母親や、アンタほどの悪魔じゃない。目標にできない大人に、私は負けたくない。
母親に捨てられたあの「天李」(推測)だって、守り屋になってるんだもの。最低な人間でも、それくらい、強くなってるんだもの。

私は撃たれる覚悟で物陰から姿を現し、まず男の持っていたスイッチらしき物を狙う。銃弾が飛び、スイッチに命中する。

飛んできた銃弾が腕を浅く引き裂く痛みを感じたが、気にせずにもう1度引き金に触れる。

男の頭に1つ、穴か開いた

・・・キャプテンSide・・・

「やっ・・・やばいっ・・・」

私はテレビを見ながら言う。
今、すぐ近くの産婦人科病院に、立てこもりがあるらしい。しかも、だ。犯人が入った病院の監視カメラには、たくさんの患者の中に、シュンリが映っていた。

「シュンリちゃん・・・」

これはどうするべきだろうか、と思っている間にも、何故か私は走り出し、玄関を抜けてていた。

これ、うちも巻き込まれるのかな?

そう思いながら足を進める。別に自分が必要になる時など無いだろうに。むしろ、怖い。

巻き込まれるのではないかと言う恐怖心と、それでも、そこに行きたいという気持ちが混ざり、病院まで走る。

これもシナリオなのか?

なんだか、自分の意思で走っているような気がする。






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