トリップ

次にその男のところに行った時、その部屋のドアに手をかける前に、ドアの向こうの会話を聞いた。

「そ、こいつを殺すんだ」
「フランス人ハーフ?珍しいな」
「金は用意した。あとは任せる」
「いいのか?お前が雇った殺し屋だろ」
「あんなの役に立たねぇよ。ガキも殺せねぇ、ただのクズだ」

ドクン――

意識が戻った頃に俺の目の前には、俺のナイフに切られた雇い主と、俺を殺すように言われた男の死体があった。



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