トリップ
気付けば午後7時とかなり時間が経っていた。おしゃべりと寄り道のせいで結構な時間がかかったのだろう。
夕食時だし、と2人はコンビニに立ち寄る事にした。
店内に入ると、キャプテンはふとあるものを見つける。
それは、青年用のアダルト雑誌だった。
キャプテンが急ににやけ出す。
「・・・そんなのに興味あんのか?」
キャプテンの様子を見て、青い瞳をチラつかせてケイラが言った。眉が少し潜んでいるように見える。
「お前いくつだよ。」
「今年で16歳。」
「俺より2つも下じゃねぇか。その割に体デケェし。」
「いや、ケイラがチビなだけ・・・」
「うっせ!」
チビという欠点を指摘されたのが気に入らなかったのか、ケイラが顔をしかめる。
「・・・ま、16歳の男でも、そう言うのに興味ある奴ぐらいいるか。」
「はぃ!?・・・ケイラ、今、うちの事『男』って言った?」
「あ?男だろお前。体格的にも性格的にも。」
そう言った後、ケイラはハッとしたように言った。キャプテンは悔しげに頬を膨らます。
「お前まさか・・・女?」
「そうっすよ!ちっくしょぉぉう!どうせうちは性格男子やし、体も貧乳やから気付かんかったんやろーけどッ!」
「ばっ・・・そんなとこ見てねぇ!」
恥ずかしかったのか、ケイラは顔を赤らめる。「そこまで変態じゃねぇよ」と訂正や否定の意味が入った言葉を口にする。
なんだかんだあってコンビニから出た二人は、近くの公園のベンチに座り込んだ。