トリップ

「キリちゃん、見つかった?」
「ああ・・・うん。」
「そっか。よかった。ああそれと突然やけどさ・・・買い物行かん?」

理由を聞くと、もうすぐ学校にも通うことになるため、ノートやらいろいろ買っておきたいんだと。
几帳面で真面目なエリカは、そう言うことはすぐにやっておきたい派なのだ。

・・・・・・街中・・・・・・・・・

買い物に興味など無いキャプテンだが、部屋にいるのも返って面倒臭かったため、エリカについていくことにした。

こんな風に歩いているのは数ヶ月ぶりだと、キャプテンは少し懐かしみを感じる。

キャプテンとエリカは現在16歳。高校一年生で、2人は小学4年生の頃からの友達なのだ。
大柄で顔も地味。面倒臭がりや頭もいまいちなキャプテンと、小柄なれどキレイな顔立ちで、積極的で頭もいいエリカ。
あまりに対照的過ぎて、周りからはあまり友達と見えない。

しかし、そんなことは気にしていなかった。

近くの文房具屋でエリカが買い物をしている間、トイレに行くといって、外の路地に行き、持ってきた例のノートを取り出した。

何も書かれていないと思ったが、ページを見ると、一話からの物語が始まっている。
(何や、見間違いか。)
キャプテンはそう思ったが、すぐにある異変に気付いた。
< 4 / 418 >

この作品をシェア

pagetop