トリップ
公園で先ほど買ったおにぎりを食べていると、トカゲが何やら不思議な声で鳴き出した。
「お前、具欲しいんか?」
具に入っていたサケをつまんで見せてやると、いきなりトカゲが大口を開けてサケを一飲みにした。
「ギャーーッ!シャ~ケ~・・・!食いモンの恨みは怖いぞ~・・・!」
「シャケって何だよ。」
「コイツ、うちのサケをつまみ食いしよって・・・。やから、うちらはサケの事シャケって言うから、もうこのトカゲのことはシャケ。」
「ややこしいな。」
キャプテンは怒っているように見えたが、すぐに笑顔になった。
「まあ、シャケは可愛いでいいか。」
「トカゲが可愛いのかよ。へんな趣味してやがる。」
その言葉を聞かずに、キャプテンは立ち上がった。
「よっし、いこか。」
2人は夕食を済ませ、もうすぐ近い動物園に足を運んだ。
そうして歩いているうちに、ケイラの持っていた携帯が鳴った。
「ケイラ?」
「ああ、何の用だよ、佐野(ケイラの同僚。)」
「あのさ、お前と一緒に同行してる奴。」
そういわれ、ケイラはキャプテンのことだなと思う。
「そいつが届けてるトカゲのことなんだけど・・・」
話を聞いて、ケイラはなるほどと思い、耳の後ろを掻く。
「・・・ああ。分かった。」
ケイラが電話を切ると、キャプテンが話しかけてきた。
「なんか・・・ヤバイって顔しとる。」