トリップ
守り屋
キャプテンのシャケお届け事件の2日・・・
「おはよー」
そう言って教室に入った瞬間、皆が目をむいた。
「「「どうしたのそれッ!!!」」」
それ、というのは、以前殺し屋に付けられた横線の傷だろう。
昨日帰った後に、弟達や兄にも同じような事を言われた。
「キャプテンさん、裏路地とかに入ったりしたんですか!?」
「いや・・・ちょっと料理作っとったら転んでまって・・・で、持っっとった包丁でスパッと・・・」
「何だ・・・。そんな漫画みたいな事あるんですね・・・。そこら辺ホッとしましたよ。」
「ご心配どうも。」
ジュマや他のクラスメイトに心配かけてしまったか、とキャプテンは妙な反省をする。
今朝もあったときエリカに言われてしまったし・・・。
一方、そのエリカはというと・・・
教室の机に座りこの前のことを振り返る。
『正体が知りたかったら、先生にでも聞いてみるといい。』
リクの挑発的な口調に、あの時は一瞬冗談かと思った。
殺人犯は普通は口止めをしておくものだろう。
「もう言ってまおう。言って先輩を困らせたるし。」