トリップ
初めてシンゴを見るものは必ずそのリアクションが出る。
それは190センチもあれば驚かざるを得ないだろう。
「ははは、褒めてくれたんか分からんけど、ありがとよ。」
陽気な性格は、シンゴの見た目とは正反対だった。
何だかんだありながら夕食を済ませると、キャプテンはシュンリを連れて風呂に向かった。
すると、急にタダムが出てきてシュンリに言った。
「風呂は姉貴が襲ってくるで気をつけやーよ!」
「おめー黙ってろ!」
タダムに負けじと、キャプテンも言い返す。
風呂に入ると、石鹸の臭いが充満する。
熱い湯につけると、今朝付いた傷に染みる。
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ベットに入ると、シュンリがこちらに顔を向ける。
「優シイノネ。キャプテンノ兄弟。」
「そんな~、女の子にだけやって。うちも女やけど、性格は男やで。」
「ッ・・・」
シュンリが小さく微笑んだ。
枕元に飛び出した手が温かい。
本当にこの手で人を撃ち殺してきたのか。
キャプテンには想像が付かなかった。