トリップ
殺し屋、来たる
「夏休みーッ!!」
キャプテンの歓喜の声が聞こえる。
「キャプテンさん、よっぽど休みが好きなんですね。」
にこやかに笑いながらジュマがキャプテンを見る。
夏休みの終業式が今日だ。
唯一の不安は通知表だけだが、もう中学生ではないため、さほど悪くなければ心配はない。
「当ったり前!休みの日は神の日、でもって勉強は糞食らえやっちゅーの!」
「ははは・・・めちゃくちゃ言ってますね・・・。」
気持ちも分かる、と言う顔でジュマが苦笑いした。
「ま、午前中はほとんど家事で終わるやろうけどな。」
「え?キャプテンさん、ご両親は?いないんですか?」
「いんや?ただ朝早く出かけて夜遅く帰って来るだけ。」
「・・・そうですか。」
一瞬不安そうになったが、すぐに微笑んだ。
親のことでそこまで反応するのは、ジュマには何か理由があるのか?
キャプテンはそう思ったが、深く考えるのはやめておいた。
終業式が終わると、先生に大量のプリントを配られ、昼前には下校になった。