貴女に捧げる夜
彼女の家から出たのは、もう昼も過ぎていて



僕は真っ直ぐ家に向かった。


授業が終わるには、まだ少し早い時間だけど、
学校は勿論、どこかに寄り道出来る気分でもなかった。



家には、カギがかかっていた。
どうやら、母親は買い物に出かけているようだ。
部屋に入り、ベッドに潜り込む。




別れたんだ



あまり実感はないけれど、
僕達は完全に終わった。



もう、朝遠回りして、彼女を迎えに行くこともない



昼休みは友達とゲームなんかの話も出来る。



あ、バイトだってしなくていいよね。
別に無駄遣いしなきゃ、小遣いで充分足りる。



うんうん。と頷きながら、


隣に彼女がいない生活を思い浮かべて



涙が出た。







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