貴女に捧げる夜
彼女が幸せなら…それでいい



僕と付き合っていくことで、
彼女が辛くて泣くのなら



彼女のいない寂しさに耐えて
僕が泣く方がずっといい



“名前呼んでくれなかったよね”



彼女の言葉を思い出す。



用事もないのに、彼女はよく僕の名前を呼んだ。



デート中も
学校でも
僕の愛撫に感じている時も
僕を受け入れる時も



笑いながら
怒りながら
泣きながら



きっと、彼女は自分も名前を呼ばれたくて
いつもいつも僕に呼び掛けていたんじゃないかな…?


アスカ



アスカ



彼女の名前を呼びながら



辛くて
寂しくて
悲しくて



涙を流した。



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