貴女に捧げる夜
後日


僕達が別れたことを知った彼女の友達が、
僕に話をしに来た。



あの日彼女と一緒に歩いていたのは、その子の彼の友達で

どうしても彼女の事を紹介してほしいと頭を下げられ
僕と付き合ってるということを承知で会ったのだ、と言った。



彼女は断ってたんだけど、
その子が彼の顔を立てたいために
彼女に頼み込んだのだ、と。



僕は



怒っていないし、
君のせいで別れたわけじゃないよ



と伝えた。



きっと、きっかけはあの日でも、
僕達は近いうちに、
こうなっていたんじゃないかと思う。



…だから



『気にしなくていいよ、本当に』



とだけ言い、笑顔をみせた。





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