貴女に捧げる夜
『リョータ、キスも初めて?』



僕から離れた、薄くて形の整った唇の両端がキュッと上がる。



僕の好きな悪戯っぽい笑顔。



黙って頷くと、彼女は
“そうなんだ。私が教えてあげるね”
と、嬉しそうな声をあげた。



彼女は自ら服を脱ぎはじめる。



と言っても、
真夏なのでもとからキャミソールという、下着のような服一枚しか着ていなかったのだけど。



淡いピンクの下着姿になった彼女は、



『可愛い?リョータのために買ったんだよ?』



と、立ち上がって僕の前でくるりと回ってみせた。



昔から水泳を習っていたという彼女の身体は細いけれどしなやかで、
ピンクの下着は白い肌によく似合っている。



『うん。可愛い』



短く答えると少し不服そうに、



反応が薄いよ。



と唇を尖らせた。



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